機動戦士ガンダム0085駆け抜ける残像

2014年07月20日 16:25

「駆け抜ける残像」

それは一年戦争末期、ア・バオア・クーにおいて活躍した三人のジオン兵士に付けられた異名である。

 

当時16歳だったカイ・オキタ兵長は帰るべき母艦を撃墜され、行き場もなく戦地を彷徨った。

自分はこのまま死ぬのだと決心したカイは瞳を閉じた。

瞬間。

彼は謎の声を耳にする。

それはカイ自身にも説明のできるものではなかったが、しかしそれが確かにシャアの声だということがカイには解ってしまうのだった。

「動かないムサイだ。そこに君の機体がある。」

驚き目を開けば少し離れた方に無残にも中破したムサイが見えた。

カイは生きる力を取り戻したように必死に、無我夢中になってそのムサイにたどり着く。

ハッチに行くと、

そこには、カイの他にもシャアの声に導かれた二人のジオン兵の姿があり、

三機のゲルググがそこにはあった。

三人は下士兵でありザクⅡ以外のMSを操縦したことがなかったが、全員が恐れることもなくゲルググに乗り込むと、初めてとは思えないほど見事にゲルググを操って見せた。MSや戦艦を次々と撃墜してゆく三人は、やはり初めてとは思えぬほどの連携を見せた。

その後、シャアと初めての対面を果たすのだが、シャアを含めた四人は、不思議とこれが初めての出会いではないような、不思議な気持ちを味わうのであった。