小説
二話 ダーク・ブルー
2014年07月25日 11:42
1 ダーク・ブルー
MSの操縦を不得意とするラブラであったが、なんとかシュウのギラ・ドーガに接近した。
「シュウさん!」
「おお、来たなギラ・ゾード!開発者はセンスあるよ。なにより赤いのが素晴らしい。赤い彗星みたいじゃないか。」
ラブラがシュウの元にたどり着いた時、すでにギラ・ドーガはボロボロだった。左脚は全損、右脚も膝から下が無くなっている。シールドに残された無数の凹凸はファンネルの激しさを容易に想像させた。それでも脚以外は比較的軽傷で、特に頭部に至っては無傷であった。ギラ・ドーガがロックされてからおよそ三分が経っていた。つまりシュウはその3分に及ぶオールレンジ攻撃を完全に受け
一話 ギラ・ゾード起動
2014年07月21日 14:17
1 アクシズの空
宇宙世紀0085 シャアがアクシズを離れ地球圏でクワトロ・バジーナとして活動を初めていたころ。シャア直属のヴァンドール部隊はアクシズに残り、潜伏を続けた。
当時のアクシズでの様々な研究は、大きく分けて2つに分けられた。
一つはニュータイプとサイコミュに関する研究、。そしてもう一つは軍の主力となる量産型MSの研究である。
量産機の開発は、同時期に多数の研究者が主力MSの座を狙って日夜研究を進めており、その中の一つ「ギラ・ドーガ」の開発コンセプトは“新時代のザクⅡ”という、至ってシンプルなものだった。スパイクシールドと方側のみの大型シールド、いくつもの